∴ 0=1 –polygenesis | 2017
ネオン灯、ガラス、1×10⁻⁵ Paの真空、電線
H6045 W39335 D12070 (mm)
ワシントンDCのワシントンハーバにあるレストラン『Sequoia』に恒久設置した作品。全長約40m、幅約12mに及ぶ大空間のメインダイニングに約3000本のガラス管とネオン管から構成されるインスタレーション作品を展開した。 『Sequoia』とは、米カリフォルニア原産のスギ科セコイア属の常緑針葉樹であり、長細い特徴的な構造をもつ。そこから、複雑に枝分かれする樹木のように多元的に発生する宇宙のイメージを連想した。私たちの知り得る限られた宇宙だけでなく、無数に生成しては消滅する、複雑な様相を成す宇宙を表現した。本作ではネオン灯、内部が高真空状態になったガラス管、割れた真空ガラス管を、ビッグバンによって宇宙空間に散りばめられた残骸、即ち星々や我々人間などを表し得るものとして提示している。高真空状態のガラス管が割れる現象が宇宙の起源に類似している。つまり、真空ガラス管(一種の「消滅」)は、宇宙のはじまり(「生成」)のメタファーとして捉えられる。本作は、「消滅」(「破壊」)によって「生成」(「創造」)されたものであり、両義的な事象(制作行為)を表し得るものである。