∴ 0=1 -change and conservation [part 2] | 2017
氷、加熱装置、電磁弁、鉄、ステンレス、アルミニウム
H5030 W5560 D5330 (mm)
北アルプスの自然の循環システムを縮図化し、水という物質の状態の変化や保存則に焦点をあて、「存在」の曖昧さや不思議な自然則について再認識する機会を設けるため、古い2階建の蔵を舞台に作品を展開した。蔵の1階部分には高温に熱せられた鉄板があり、その上に水滴が不規則に滴り落ちて、音を発生させながら、蒸発して大気中に消えていく。この水滴は蔵の2階部分に設置された氷が溶けたもので、お皿状の台に接続されたパイプ内を伝って蔵の1階部分へ落ちていく仕掛けになっている。氷は大町市内から見える北アルプスの山々を型どったもので、立体地図を元にシリコン型を作成し、製氷したものである。時間とともに変化し、形がくずれていき、やがて水となって消える。その水もまた、熱せられた鉄板の上で水蒸気となって消えてなくなる。ただし、氷や水は状態を変化させただけで、物質そのものは消滅したのではなく、まだ蔵の中やその周りの大気中に存在し、漂っている。