control – technology | 2016
蛍光灯、電子部品など
サイズ可変
太古より人類は自然という強大な力に対抗するための知恵や工夫を凝らし、様々な技術を生み出してきた。登呂遺跡の出土品などからもそのことが読み取れる。現代においてもそれは変わらず、未だ人類は自然を制御するための技術を生み出すことに多大な労力を費やし続けている。現代では、テクノロジーが人類にとって単なるツールにとどまらず、むしろ人類がテクノロジーに制御されるようなことさえ起こり得る。本作品では、制御不能状態の機器、つまり、制御プログラムから独立した機器によって完全に予測不可能で不規則な光の明滅が生み出される。そうした現代を隠喩する人工光を古代の住居空間に放つことによって、鑑賞者に時間を遡って古代と現代の明るさの違いを想像することを促した。また、自然という強大な力を完全に制御することはいずれの時代においてもなし得ないことを示唆し、同時に文明の発展と生活の豊かさのバランスとはいかなるものかという問いを投げかけた。