∴ 0=1 -multiverse | 2015
ネオン灯、ガラス、1×10⁻⁵ Paの真空、電線
サイズ可変
この宇宙のはじまりは他の宇宙の終わりだったのかもしれない。本作ではネオン灯、内部が高真空状態になったガラス管、割れた真空ガラス管を、ビッグバンによって宇宙空間に散りばめられた残骸、即ち星々や我々人間などを表し得るものとして提示している。高真空状態のガラス管が割れる現象が宇宙の起源に類似している。つまり、真空ガラス管(一種の「消滅」)は、宇宙のはじまり(「生成」)のメタファーとして捉えられる。本作は、「消滅」(「破壊」)によって「生成」(「創造」)されたものであり、両義的な事象(制作行為)を表し得るものである。本作品では、展示空間にある窓や黒板に鏡を取り付け、幾重にも光が反射し、イメージが広がっていくような設えを施している。