afterglow  | 2015

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鏡、針金、社の石垣
サイズ可変

ここにはかつて人々が集い信仰の対象となる神の社があった。長い年月を経て、建材が傷み、朽ちて、社が撤去されたという。私が初めてこの地を訪れた時には、既に社の姿はなく、その土台である石垣だけが残された状態だった。しかし、そこにはないはずの「何か」が存在しているような不思議な感覚にとらわれたのを今でも鮮明に記憶している。そのような「不可視な存在」の正体は一体何だったのか?私はそのとき確かに感じた「不可視な存在」を具現化する試みを行いたいと考えた。この作品の制作で直面した最も困難な問題は、私が何も手を加えなくても、既に「不可視な存在」が過不足なく表現できているように思えたことだった。社のなくなった石垣やその周りの環境は、それだけで既に完成されたものに感じられたからだ。そのため、この場が有する要素を可能な限り壊すことのないよう、場と対話し、それと共生できるような作品展示を心掛けた。