真空ノイズ | 2022
ネオン灯、1×10⁻⁵ Paの真空、大気圧、アクリル
H4800 W4000 D100 (mm)
内部が高真空状態になったガラス管を局所的に熱すると、柔らかくなったガラスが外部の大気圧に押されて(内部の真空に引っ張られて)、ガラス管の形態が変化する。こうして真空の力によって凸凹状に成形されたガラス管内にネオンガスを封入し、電極に高電圧を印加すると、不規則にちらつきゆらめく光が放たれる。電子は電極間の通り易い最短距離を移動しようとするが、ガラス管内の空間が狭まったり広がったりしているため、放電の通り路が一様ではない。そのため、ガラス管内の抵抗値が高くなり、ノイズを伴う不安定な放電現象が引き起こされる。このような光のゆらぎによって、身の回りに充満する目に見えないノイズの一部を顕在化させ、自己と他者の間に存在する何かを提示しようと試みた。