∴ 0=1 -another  | 2019

蛍光灯、ステンレス内部皮膜ガラス管、ガラス鏡、電線
H2700 W6000 D6200 (mm)

我々は別の宇宙の産物なのかもしれない。自然界において、「無限」という概念が成立し得ないことから、密度が無限大、且つ大きさが無限小であり、あらゆる物質や光を取り込む「特異点」は存在し得ない。そこで一つの仮説を立ててみる。ある宇宙において、極めて高密度だが、有限な大きさをもつ粒の中に質量とエネルギーが押し込められると、それが別の宇宙に吐き出されて、新たな星々を形成するのだと。つまり、ある宇宙が別の宇宙を生み出し、さらにそこから新たな宇宙が生み出されるのである。「消滅」や「崩壊」という事象が別の宇宙においては「生成」や「創造」ということになる。鏡に映し出される無数の虚像や反射する光の広がりによって、別の宇宙が幾重にも生み出されていく様を表している。